第一次産業ネット

東京や大阪から、無料で北海道の十勝まで見学に行ける農業ツアーが組まれている求人があるのがすごい。航空料金もバス移動も宿泊も無料というのはちょっと驚いた。こういったサイトが農業生産者の人たちと一緒になって本気で農業への転職を支援していこうと動いているのはすごいと思う。もちろん、ツアーを主催する側も本気で若者を採用したいからだと思うので、真剣に農業分野での転職を考えている人にとってはいい専門サイトだと思う。

農業には興味がありますが、やはり現在の住まいから転居せざるを得ないのか、自宅から通える範囲の求人がないかはすごく気になっています。就農と言うと、なんとなく地方にUターンやIターンして、過疎地域で土地を借りて自分で頑張ってみるというイメージがありますが、もっと都市圏の近隣で働ける農業の仕事があればと思っています。また、経験がないが故に、本当にやっていけるのか？という不安も強く、できれば体験させてもらった上で最終的な判断ができる仕事を求めています。農業はそんなに甘いものではないとか言われてしまいそうですが、サラリーマン生活を捨て、これから就農しようと考える人たちにとっては、それが本音なのではないかと思います。

農業に関しての知識はないですがサイトを見ました。第一次産業は家族経営のところが多く、仮に興味があっても経験がない人は就業しづらそうというのが大体のイメージだと思います。しかしこのサイトはそういったイメージがなくなるように、一般の他の業界などと同じように農業の仕事の事をわかりやすく伝えている方だと思います。農業をやってみたい若い人の就業のきっかけにはなると思います。ただ、私は41歳なのですが、全体的に30歳くらいまでの求人が多いようにも感じました。検索の絞り込みのところに年齢の項目もあると、より自分の条件に合う求人が見つけやすくなると思います。

掲載されている求人情報の件数も豊富で、個々の募集情報も写真や補足情報、応募した際の流れなども細かく記載してあり、農業、林業、漁業系を志す人であれば信頼できる情報が多いサイトだと思う。ただ、見ていると時給制の求人が結構多く感じられたので、季節労働や繁忙期の人手不足の関係から、地元のハローワークに求人を出すような感覚で募集をかけている農家なども結構多いのかなと思いました。そういった点で言うと、すぐに脱サラして農業一本で暮らすのはかなり大変なんじゃないかと感じます。

意外にしっかりしているサイトなので、農業や畜産に興味がある人にとってはいいかもしれない。写真が大きく、たくさんアップされているのも見やすいと思う。また、職場やスタッフの写真もあり、仕事のイメージは伝わりやすい。一方で詳細ページの仕事内容は説明の文字数がちょっと少なく、具体的な仕事内容のイメージが欠けるかもしれない。その他にも検索ジャンルの「雇用形態」に、「2016年新卒」というものがあったが、2016年の新卒は既に終了していると思ったのでちょっと意味不明かも（管理画面との連携が上手に行っていないためと思われるが）。その他にも求める人物像の部分が「明るい人」や「前向きな人」という感じだったのが、他の転職サイトとは全く異なっていてユニークに思えた。興味はあっても実際に農業をやるかどうかとなると迷う人も多いと思うが、給与体系がもうちょっと明瞭になってくると、転職の選択肢の1つとして考える人も増えてくるのかもしれない。

「第一次産業ネット」というサイトタイトルには疑問を感じます。サイト名を聞いたり、ネットで見かけるだけでは何のサイトだか理解できないと思います。「とらばーゆ」とか「はたらいく」のようなネーミングを考えたほうがいいかもしれません。しかし、コンテンツを見ると若い人が農業を体験したり、実際に就農している人のインタビューがあって、その部分は親しみやすく書かれています。それだけに余計にタイトルとのずれを感じてしまいます。

また、求人サイトであればトップページの一番見やすい部分に求人検索や新着の求人情報を掲載すべきだと思うのですが（実際にマイナビやリクナビはそうしています）、スクロールしていかないと「業種から探す」「地域から探す」などが出てこないのは、ユーザーに使いにくさを感じさせると思います。それと「農業に関するQ&A」はあるのに、なぜ林業や漁業に関するQ&Aがないのかは不思議です。