ブラック企業が多い!と言いつつも、求職者はなぜハローワークに行くのか?
ハローワークが扱う求人はブラック企業が多い!求人票の記載内容が少ない!事前に聞いた仕事、待遇と異なる!など、近年もハローワークに関する話題は尽きる気配がない。にも関わらず、依然としてハローワークに足を運ぶ求職者は多いのはなぜか?今回はこの理由について、具体例を挙げながら考えていきたいと思います。
理由その1:代替となる仕事探しの手段が少ないから(特に地方)
ハローワークを利用して仕事探し、転職活動を行った経験のある人たちに聞いてみると、「他に便利で役立つ、有効な仕事探しの手段がないから」と言った答えがよく出てくる。これは都市圏に住んでいる人にはピンとこない話かもしれないが、地方に行けば行くほど、こういった答えが多くなる傾向にある。
「インターネットで検索すれば、求人情報は山のように出てくるのに」。しかしこれは主に都市圏に住む人の話。地方に行けば行くほど、インターネットで出てくる求人情報も少なくなり、出会える情報も限られてくる。結局のところ、地元地域の求人情報を探すために、求人情報誌を読んでみたり、新聞の求人広告、チラシを見たり、縁故の情報にあたってみたりする。それでも良い情報がなければ、地域の中小企業の情報を細かく扱うハローワークに行かざるを得ないのが実情だ。
理由その2:求められるスキルや資格、経験が自分の実情に合わないから
ハローワークを利用して仕事探し、転職活動を行った事のある人たちは他にもこんな事も言っていた。それは「転職サイトで出てくる求人は、どれもハードルが高そう」。つまり、求める人物像、応募要件などの部分で経験がなかったり、業務で必要となるスキルに自信がなかったり、そもそも必要な資格を持っていなかったりなどの理由だ。
確かに企業が一定のお金を払って求人情報を掲載するタイプの転職サイト(求人広告)の場合、○○○の経験やスキル、資格を持っている方と言った記述が多い。そういった仕事の経験がない、未経験者の視点から見れば、経験者を求めている、もしくは業務自体をわかっている人材を求めているように見えるだろう。企業の人事担当者の視点からするとまさにその通り!といった声も聞こえてきそうだが、こういった点で尻込みをしてしまう求職者の場合は、ハローワークに足を運ぶ傾向が高いようにも思う。
理由その3:人に相談しながら、アドバイスを受けながら仕事を探したい
インターネットを利用して、自ら直接企業の求人情報に応募する方が効率も良いと考える人には不思議な話かもしれないが、ハローワークに通う求職者の中には「人に相談しながら、アドバイスを受けながら仕事を探したい」という人もまた多い。そもそも自分が希望する業界や職種、働き方の仕事はないのか?ないとしたらなぜないのか?履歴書や職務経歴書はどのように書いたら良いのか?面接ではどういった受け答えが望ましいのか?などの点を、対面で相談しながら確認していきたい、進めていきたいと考えている求職者もたくさんいる。
ハローワークで扱う求人はブラック企業が多いのでは?という指摘も聞こえてきそうだが、こういった求職者の場合、だからこそハローワークの職員にブラック企業か否かも聞きたい、確認しておきたいという希望を持っている。自分一人で右往左往するくらいであれば、企業や求人の事をよく知る人に相談する方が早いし、確実かもしれない。そんな風に考えている求職者もまた多くいる。
批判するのもサービスの質の向上、改善に期待せざるをえないから
一定量の求人情報に出会えなかったり、自分のスキルや資格、経験にマッチする求人情報に出会えなかったり、人に相談しながら仕事探しがしたいと考える人はハローワークに足を運ぶ。そしてハローワークが提供するサービスの質の向上に一定の期待もする(せざるをえない)。「ブラック企業が多い!」「空求人が多い!」「お役所仕事で対応が悪い!」「待ち時間が長すぎる!」などなど厳しい声は相次ぐが、他に代替となる手段を持ちあわせていなければ、ここの向上や改善を期待せざるをえない。
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