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【転職先の選び方】その転職先は、きちんと社会保険に加入してますか?

正社員やアルバイトなどの待遇によって、社会保険の加入対象であったり、対象でなかったりします。これはそれぞれの法律でしっかりと定められているのですが、この法律を守っていない企業や個人事業主もあります。仮に転職先が決まった!と喜んでいても、こういった企業であったと知った時には後の祭りです。リスクを避けるためには自分自身で最低限の社会保険知識を持っておかなくてはなりません。そこで今回は、転職先選びのポイントの1つ、社会保険の加入知識について解説していきます。

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正社員採用なら、企業側が社会保険加入の手続きを行うのが一般的


正社員として企業に採用された場合、企業側が社会保険の加入手続きを行う事が一般的です。ここで言う社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、雇用保険を指します。これらの社会保険は企業側が「資格取得手続き」を行う事で、採用された個人に対して社会保険が掛けられるようになります。


しかしながら正社員と言えども、働く条件や業種によっては、従業員が社会保険に加入しなくても良いという場合があります。まずはその部分を以下の表から確認してみてください。


健康保険・厚生年金保険の適用・任意適用の一覧表


健康保険・厚生年金保険の適用・任意適用の一覧表


上記の図を見ると、法人(企業)の場合は健康保険及び厚生年金保険が強制加入になっている事が分かります。従って転職先が法人(企業)であり、正社員として採用されたのであれば、これら社会保険への加入については心配する必要はないでしょう。


一方、注意すべきは個人事業主に雇われる場合の「任意適用業種」です。任意適用業種とはその名の通り、事業規模に関わらず健康保険や厚生年金保険に加入しても、加入しなくてもどちらでもよいという業種になります。具体的な任意適用業種というのは以下の通りです。


・農林水産業
・法務業(税理士事務所、社会保険労務士事務所など)
・サービス業(飲食店、接客業、娯楽業、理容業、旅館など)
・宗教業(神社、寺院、教会)


上記に挙げたような業種に転職し、尚且つ相手が個人事業主であった場合には、健康保険や厚生年金保険への加入手続きを取ってもらえなかった場合でも違法という事にはなりません。この点についてはしっかりと覚えておきたいポイントです。


アルバイト・パートで健康保険・厚生年金保険の加入対象になるのは?


近年の雇用情勢を見ていると、最初から正社員として採用されるのではなく、一定の試用期間を設けていたり、アルバイト・パートから経験を積み、一定期間を経た後に正社員として採用するといった形態も増えているように思います。そういった場合のアルバイトやパート採用についてですが、以下の条件を両方満たした場合、健康保険及び厚生年金保険の加入対象となります。


①勤務時間が正社員の4分の3以上であること(1日6時間以上)
②勤務日数が正社員の4分の3以上であること(1ヶ月20日労働であれば15日以上)


雇用保険の加入対象になるのは?


健康保険料や厚生年金保険料の他に、給与から天引きされる社会保険として「雇用保険」というものがあります。ちなみに雇用保険の加入条件は以下の通りです。健康保険や厚生年金保険に比べると、加入条件は緩やかになっています。


①31日以上の雇用の見込みがあること
②1週間の所定労働時間が20時間以上であること


アルバイトやパートで雇用保険のみに加入している人が多いのは、1日あたりの労働時間が4時間から5時間程度の短い時間であり、尚且つ1週間を通じて労働日数が3日~5日程度である事が1つの要因です。


社会保険に加入していない企業に転職するデメリットとは?


社会保険に加入していない企業に転職した場合のデメリットとしては以下が挙げられます。


・国民健康保険や国民年金を自ら負担しなければならない可能性が生じる
・健康保険の被保険者でなければ適用されない、傷病手当金や出産手当金が受けられない
・将来の年金額に大きな差がついてしまう
・失業した場合の補償がない状態になってしまう


尚、もし社会保険の仕組みについて更に詳しく知りたいという場合は、以下の記事も読んで頂くと役立つと思います。


【社会保険入門】ピンときてない社会人のために仕組みとメリットを解説


今回のまとめ


転職先の候補となる企業、会社が小規模であったり、個人事業主であったりする場合は、念のために社会保険の加入状況なども教えてもらう方が良いでしょう。法人(企業)であれば強制加入となっていますが、例えばハローワークの求人票のように、実態がかけ離れているという場合も少なくはありません。リスクを避けるためには、自分自身であらかじめ転職先のホームページを確認したり、待遇をきちんと確認するなどのリサーチを行う必要があるでしょう。


著者・SPECIAL THANKS


佐藤 元宣
独立系ファイナンシャルプランナーとして子育て世帯から年配まで幅広い年齢層と分野で様々な相談に応じている。地元秋田県でファイナンシャルプランナー普及活動や情報も積極的に発信。

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