初めての失業手当をスムーズに!失業給付金のもらい方と手続き方法
倒産や解雇、自己都合退職などで失業した際、雇用保険から給付されるのが「失業手当(失業給付金)」。しかし実際に失業給付金をもらうとなると、どのようにすればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、失業手当(失業給付金)のもらい方について、実際の手続きから受け取るまでの流れをわかりやすく解説していきたいと思います。
【1】離職票がなければ手続きを始められない
失業時の失業手当(失業給付金)を受け取るためには、ハローワークへ行って必要な手続きを行わなければなりません。そしてこの手続きにあたって必要な書類が「雇用保険被保険者離職票」です(以下、離職票とします)。この離職票は、勤務先であった会社が本人の退職後、ハローワークへ手続きを行う事によって交付されます。その後、ハローワークから交付された離職票を退職した人の自宅へ郵送するのが一般的です。
この離職票がなければ、失業手当(失業給付金)を受け取るための手続きを進める事ができないため、その間はとにかく離職票が届くのを待つ必要があります。早ければ会社を退職してから1週間前後で離職票は届きますが、あくまでも退職した会社側が早々に手続きを行わない限りは、いつまで経っても離職票は届きません。もし退職してから2週間以上経っても離職票が届かないという場合は、退職した会社の方へ連絡を入れてみるのが良いかもしれません。
余談ですが、世の中にはきちんとしていない中小企業もあります。雇用保険法という法律では、離職票を請求した場合、事業主(会社含む)は必要な手続きを行って、離職票を退職者へ渡さなければならない旨が定められているのですが、社長の独断で手続きを取らない場合もあったりします。このような場合は督促もできるので、簡単に泣き寝入りはしないようにしましょう。
【2】離職票を受け取ったら、ハローワークへ行って手続きを
無事に離職票が届いたら、次はハローワークの総合窓口へ行きましょう。職員の人が書類を確認後、必要な手続き、流れについて説明してくれます。具体的には「求職申込書」という、窓口に備え付けられている書類を記入例に沿って記入して提出する事で、後に参加しなければならない「雇用保険受給説明会」や、その時に必要な持ち物などについても教えてもらえます。
【3】7日間という待機期間を経る
前述のようにハローワークへ行って手続きを行い、説明を受けると「受給資格」が決定されます。失業給付金を受け取るためには、受給資格決定日から7日間、失業状態である事が必要になります。個人的にはこの7日間の間に、次の就職先や今後どのような進路を歩んでいくべきかについて、じっくりと検討しておく事をお勧めします。
【4】雇用保険受給説明会に出席する
受給資格が決定された後、雇用保険受給説明会については「●月▲日の■時■分から、場所は●●室で行います」といった形の説明もあります。説明会当日は開始時間に遅れないように参加しましょう。この説明会では、ハローワーク職員による失業給付金の説明や、受給の流れをビデオで見たりする形になります。
およそ2時間程度の雇用保険受給説明会が終わると、「雇用保険受給資格者証」と呼ばれるものが発行され、手渡されます。これは就職活動の度に提出する重要なものであり、これが無ければ失業給付金を受け取る事ができないので大切に持っておきましょう。
【5】初回の失業認定日にハローワークへ行く
説明会で発行された雇用保険受給資格者証には、「初回の失業認定日」が記載されているので、その当日は忘れずにハローワークへ行くようにしましょう。その際は「雇用保険受給資格者証」と「印鑑」、「失業認定申告書」を忘れないようにします。
ちなみに「失業認定申告書」とは、就職活動をした場合やアルバイト、日雇い作業などに従事して収入を得た場合に、正しく申告を行うための書類です。この書類の書き方は雇用保険受給説明会でも教えてもらえますし、手渡されるパンフレットにも記載例が掲載されているので、それらに従って記入すれば何ら問題はありません。こちらの書類を正しく申告しない場合は「不正受給」として刑事罰の対象にもなりますので注意が必要です。
【6】失業給付金が指定口座へ振り込まれる
失業認定日にハローワークへ行って必要な手続きが完了すると、3日から4日程度で失業給付金が指定口座へ振り込まれます。近年は失業給付金が振り込まれるまでの日数も、以前までよりは随分と短くなっています。
【要注意】自己都合退職の場合は3ヶ月の給付制限あり
自己都合で会社を退職、失業した人に関しては、失業給付金を受け取るまでに「3ヶ月の給付制限」というものがあります。倒産や解雇といった理由で失業した人とは扱われ方が異なりますので注意が必要です。
著者・SPECIAL THANKS
佐藤 元宣
独立系ファイナンシャルプランナーとして子育て世帯から年配まで幅広い年齢層と分野で様々な相談に応じている。地元秋田県でファイナンシャルプランナー普及活動や情報も積極的に発信。
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