転職支援金って何?どうすれば貰える?転職お祝い金サイトと仕組みの全て
転職支援金(転職お祝い金)とはそもそも何で、どんな人がどんな時に貰えるものなのか?貰える転職サイト例と実際に貰うための注意点、転職支援金制度の仕組みの全てをわかりやすく解説しています。
そもそも、転職支援金とはどんなもの?
「転職支援金」または「転職お祝い金」とも呼ばれる事がありますが、これらは転職サイトや転職エージェントを利用して転職に成功した場合、該当するサイトやエージェントから求職者に対して、「お祝い金」という名目でプレゼントされるお金の事を言います。
つまり、転職活動を行なって転職先が決まった結果、ついでにお祝い金としてのお金がもらえてしまうという仕組みなので、求職者側にとっては悪い話ではありません。むしろ、そのお金を将来の貯金に回りたり、転職後に必要になるであろうスーツや靴といった、身だしなみを揃えるためにも使う事ができたりと、予想外の収入を活かす使い道はたくさん出てきます。
それであればぜひ自分も転職支援金(転職お祝い金)が欲しい!といった気持ちになるかもしれませんが、主要な転職サイトや転職エージェントの全てが転職支援金(転職お祝い金)の支払いに対応している訳ではないので注意が必要です。
高額の転職支援金がもらえる事で有名なのは看護師向け転職サイト
転職支援金の仕組みを大々的に打ち出しているサイトの種類の1つとして、「看護師向けの転職サイト」が挙げられます。もちろん全ての看護師向け転職サイトが転職支援金の制度を設けている訳ではありませんが、例えば「看護プロ(12万円・2016年11月時点)」「看護のお仕事(最大12万円・2016年11月時点)」「ナースJJ(最大35万円・2016年11月時点)」などの転職サイトでは転職支援金の制度を設けています。
ちなみに看護師向け転職サイト大手の中では、アルバイト情報サイト「バイトル」で有名なディップ株式会社が運営する「ナースではたらこ」でも、サービス開始以来長らく転職支援金の制度を設けていましたが、現在は不定期のキャンペーンとなっています。
近年は薬剤師向け転職サイトの一部でも高額な転職支援金
また、近年は看護師だけでなく、薬剤師向け転職サイトの一部でも高額な転職支援金をPRしているサイトがあります。例えば「ファーマシスタ(正社員10万円・2016年11月時点)」「ジョブデポ薬剤師(最大60万円・2016年11月時点)」などです。
その他にも看護師、薬剤師ともに、高額な転職支援金はもらえないものの、転職活動を始める友人、知人を紹介する事でお友達紹介キャンペーンの謝礼として1万円がもらえるといったケースもあったりします。
ホワイトカラー系職種の場合でも、一部転職サイトには転職支援金あり
先に看護師や薬剤師の例をご紹介しましたが、世の中で働くビジネスパーソンの方のほとんどは、いわゆるホワイトカラー系職種です。こういった職種の方々向けに転職支援金の制度を設けているサイトは多いとまでは言えないものの、一部にはあります。
例えば総合転職サイトの「ジョブセンスリンク(最大10万円・2016年11月時点)」や「イーキャリア(3,000円相当のギフト券・2016年11月時点)」、IT/Web業界向け転職サイトの「Pool(1万円・2016年11月時点)」や「Forkwell Jobs(3万円・2016年11月時点)」、その他に外食業界向け転職サイトでは「ジョブレストラン(最大5万円・2016年11月時点)」などが転職支援金の仕組みを設けています。
【ココが重要】でも、転職支援金をもらうには諸条件をクリアする必要がある
ここまでは転職支援金がもらえるサイト例をご紹介してきましたが、肝心なのは実際に自分がそれに該当し、もらう事ができるのか?という点です。実は転職支援金の支給を受けるには、各転職サイトが事前に定めている諸条件をクリアする必要があります。
諸条件の中身は各転職サイトによっても若干の違いはありますが、概ね共通しているポイントは「支給対象となる求人」「支給タイミング」「支給条件を満たす事務手続き」の3つです。また、前提としては自社が運営する転職サイトを通じて転職した人のみが対象となります。
まず1点目の「支給対象となる求人」については、看護師や薬剤師の場合はどの求人に応募しても支給される傾向となっています。しかし、ホワイトカラー系職種の場合は応募する求人ごとに支給対象となるケース、ならないケースがあり、支給予定金額も求人ごとにバラバラの場合があります。
また、2点目の「支給タイミング」については、ほとんどのサイトが転職先へ入社後、3ヶ月~6ヶ月が経過した時点となっています。これは転職者がすぐに転職先の企業を辞めてしまった場合、企業側から転職サイト側にクレームが入るケースもあるためで、一定の定着を見届けた時点で支払うというサイト側の考え方からきています。
次に3点目の「支給条件を満たす事務手続き」については、基本的に転職した本人からの自己申告に基づいて本人確認を進め、支給を開始するというのがポイントになっています。わかりやすく言えば、転職サイト側もできるだけ節約したいので、転職して一定期間を経た後に、自己申告してきた人だけに支払いを行いますという仕組みなのです。ここに関しては、転職後に申請を忘れてしまう人も一定数いるという側面もあります。
まとめると、転職支援金は待っていれば支給されるという訳ではありません。また、支給条件は各サイトごとに異なり、高額な転職支援金をPRしているサイトほど、支給条件のハードルも異常に高い傾向にあります。転職支援金に惹かれてサイトを利用する際は、少しでも良いので支給条件が記載されてあるページを確認しておく事をお薦めします。
高額の転職支援金をPRする転職サイトは、何を考え、何を狙っているのか?
そもそも転職支援金の仕組みは、転職サイト側が販促広告費の代替手段として生み出したものです。具体的には転職サイトの場合、インターネット広告や電車広告、最近ではテレビCMなどの広告を利用して利用者を集めていますが、これらの実施と継続には大きな予算、お金が必要になります。
それらに対して転職支援金の仕組みは求職者に対してのインパクトが強く、話題性を生んで効率良く広告の代わりに利用者を増やす手段となっている時期がありました。世の中に転職サイトはたくさんあるから、どうせならお金がもらえるサイトを通じて応募、転職しようというモチベーションを生み出していました。
こういった背景から、多額の広告予算をかける事ができない、小規模経営、ベンチャー系の転職サイトほど高額な転職支援金をPRし、利用者を増やそうとする傾向があります。そのため、見た目としては高額な転職支援金ですが、支給条件が厳しく、もらうための難易度が高い可能性もあるので注意してください。
転職支援金を実質的に負担しているのは、求人掲載企業である事が多い
一方で転職支援金の原資となるお金は、誰が負担しているかご存知でしょうか?求職者側から見ると、転職サイトが支給してくれるものにしか見えませんが、転職サイト側もただ持ち出しで支払うばかりでは仕組みの維持や運営が困難になってしまいます。
こういった事情を解決するため、転職サイト側ではあらかじめ転職支援金の支払いを見込んだ価格設定で求人掲載企業に求人広告を販売する、または手数料の支払いを求めるのが一般的なパターンです。つまり、最終的には求人掲載企業が転職支援金の原資を負担している事がほとんどです。
転職支援金の金額を比較するサイトもあるが、情報が古い事が多いのでご注意を
また、インターネットで「転職支援金 比較」などのキーワードで検索を行うと、稀に転職支援金がもらえるサイト、具体的な金額を比較するサイトなども出てきますが、これらの多くのサイトは情報が古くなっているのでご注意ください。
この理由は先に挙げたように、転職支援金(転職お祝い金)をPRとして使用する転職サイトが増えた時期があったため、その時期の情報を掲載している例がほとんどです。近年は以前ほど転職支援金をPRに用いる転職サイト数が減ったため、そもそも制度自体がなくなっている可能性もあります。
【最後に】もしも転職支援金をもらったら、税金の課税対象になるの?
最後にもしも転職支援金をもらった場合は、税金の課税対象になるのかが心配だと思います。この点については「一時所得」の中の「法人から贈与された金品」に該当するため、もらった金額の大きさによっては確定申告が必要となる場合があります。しかし、基本的には年間を通じて50万円以下の一時所得であれば、確定申告を行う必要はありません(2016年9月時点)。
一時所得では年間50万円分の特別控除が認められているため、他に一時所得に当たるものがなければ、この範囲内で収まる事になります。また、一般的に50万円を超える転職支援金がもらえるような転職サイトもないため、他の一時所得がない限りは心配する必要はないでしょう。この点に関してもし不安があれば、転職支援金の支給時に転職サイト側へ確認してみるのも良いでしょう。
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