転職でも学歴フィルターは存在する？中途採用における学歴の実情

学歴フィルターって？

採用の選考において、一定レベル以上の学歴を持つ人を優先し、それに達しない学歴の人たちの優先順位を下げる、もしくは不採用にするという「学歴フィルター」の問題。学生の就活の中でよく聞く言葉でもありますが、中途採用（転職活動）においても同じような問題は多く存在するのでしょうか？ここではこの問題の実際のところについて、解説していきたいと思います。

学歴フィルターで選考を進めていく企業もやはりある

一部の大手企業などが、自社の採用方針において、「学歴ではなく実力が重要！」と言う時代ではありますが、そうは言ってもやはり、これまた一部の企業では学歴フィルターというものが存在しています。一昔前よりは学歴に対する見方は変わってきた面はあるものの、業界や個々の企業ごとに、いまだに学歴フィルターというものは生きているといっても良いでしょう。

いまだに学歴フィルターが残る企業、その理由は？

では、中途採用においてもなぜ学歴フィルターがいまだに残っているのか？その理由について、以下に大まかな事例を挙げていきます。

【企業側の本音①】昔からそうだったから・・・

中途採用を行う企業の人事担当者も普通の社員です。これからはウチの会社でも、学歴ではなく実力で人物を見ていこう！仮にそんな風に思っていたとしても、経営幹部などがそれを好まない場合もあります。

特に老舗の会社などは、昔からの慣習やカルチャーが判断のベースになっていたりして、これまでは●●大学卒くらいまでの社員が多かったのに、突然学歴不問にして大丈夫なのか？社員たちの中に溶け込んでいけるのか？一定学歴の人材を採用する努力は行わないのか？などなど、社内融和や人事バランスに配慮を求める声があがり、結果的に学歴フィルターを維持するといったケースもあります。

【企業側の本音②】昔一度、学歴不問の採用を行なってみたものの・・・

このケースの場合、時代の流れに乗って一度は学歴不問を打ち出し、社員として採用してみたものの、社内からの声が芳しくなかった、退職者が多かったなど、ネガティブな経験を持つ企業のパターンです。

企業側も退職者が増えてしまったり、採用した社員の仕事の質については常にチェックを行おうとは思っています。そんな時にこういった問題が発生すると、人事部としても共通する傾向や答えを分析して見つける必要が出てきます。そんな経緯を経て結局、学歴フィルターを復活させた。そんな企業も世の中にはあります。

【企業側の本音③】優秀な人と思って採用したら、一定の学歴以上だった・・・

このパターンの場合は、あまり学校名などに囚われず選考を進め、採用してきたが、フタを空けてみたら一定学歴以上の人が多かったというパターンです。そんな事ってあり得るの？と思うかもしれませんが、企業にも採用のクセというものがあります。つまりその採用のクセが結果的に似たような人だけを選考に残し、似たような傾向の人物を採用してしまっているという事です。

また、業界や職種によっても当然傾向の差は出ます。例えば基礎技術を開発する研究職などの人材を多く抱えている会社であれば、当然のごとく、結果的に理系の人材がほとんどだったり、優秀だと思って中途採用した人材が高学歴者だったという事も起こります。

傾向としては古くて堅い業界に見られ、新興の業界では少なめ

学歴フィルターの問題を大まかに見てみると、傾向としては古くから続く業界、老舗名門を自称するような堅い会社、もともと官営企業だった歴史を持っている会社などに多く見られる傾向があります。一方で比較的歴史の新しい業界、市場の成長度が大きい業界、ベンチャー企業、営業系会社などでは学歴に囚われない採用を行なっている傾向があります。

最終的には気にしても仕方のない問題。ポジティブ思考の転職活動を！

今回は中途採用（転職活動）の学歴フィルターに関する問題を解説しましたが、過去の学歴というものは今更気にしても何のメリットもありません。むしろ過去の学歴のことを気にする暇があれば、現在の自分のキャリアをきちんと評価してくれる企業との出会いのために時間を割くべきです。