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保険セールスレディに聞く!成果と給与、プレッシャーと自由、その仕事の実情は?

あの仕事の実態はどうなっているのか?世の中の様々な業界、職種の実情を知るシリーズの第1回。今回は「生命保険のセールスレディ」という職種の仕事にフォーカスし、この仕事の辛い点やデメリット、働きがいやメリットなどに迫ります。

保険セールスレディの後ろ姿


生命保険料ベースで年間約40兆円もの市場規模となっている日本の生命保険業界。世界の中でもアメリカに継ぐ規模となっているこの市場、業界において、生命保険各社が生み出す売上高の原動力となっているのが、最前線で働いている「保険セールスレディ(生保レディ)」と呼ばれる人たち。


昔から「離職率が高そう」「歩合給って聞くし大変そう」「枕営業を行っていそう」「営業がしつこい」など、憶測を含め様々なイメージ、情報が飛び交っているものの、この職種の仕事実態は一体どのようになっているのか?今回はWEBアンケートを通じて、現役の保険セールスレディ、過去に働いていた経験を持つ皆さんに、この仕事の実情やメリット、デメリット、辛いこと、働きがいなどを教えてもらいました。


全国各地に約28万人、生命保険のセールスに携わる人たち


ちなみに生命保険業界では、保険業法によって生命保険の募集を行う人たちの登録が義務付けられています。公益財団法人である生命保険文化センターの調べによると、全国の生命保険会社の支社、支店、保険代理店などで営業活動に携わっている人たちは男女含めおよそ28万人(2002年時点の調査結果)。人数の推移を見ていくと、約42万人、35万人、28万人と、時代とともに減少のトレンドとなっています。


背景には日本の総人口が減るフェーズに差し掛かっていること、少子高齢化、生命保険の販売方法の効率化や多様化なども関係していると思われるものの、それでも求人サイトで保険のセールス職、セールスレディの中途採用募集を見かけるケースは未だに多い状況です。


保険セールスレディの仕事は何が辛い?どんなデメリットがある?


駅のホームを歩く保険セールスレディ


今回のWEBアンケートではまず、保険のセールスレディという仕事の中で辛いこと、デメリットに感じる事を聞いてみましたが、詳細は以下の通りです。やはり「新規顧客の開拓」「セールスレディに対するネガティブイメージや偏見」の2つが大きなポイントとなっていました。


"最初は友人や知り合いなどに声をかけ、契約が取れていました。そして勉強して保険に関する知識がついてやる気も上がり、何ヶ月かはノルマも達成できていました。でもそこからの新規顧客獲得がきつかったです。保険屋などには世話にならないという人が多く、邪険に扱われる事も多々あります。 また、枕営業まがいの事も言われてしまい、どんどん気力がなくなっていきました。そうなってくるとノルマの達成もできません。社内ではなぜできなくなったのか?など、きつい言葉や視線が向けられ、それがストレスになっていきました。"


"一番大変なのはノルマ達成、実績を上げなければならないというプレッシャーだと思います。また、たくさんの人と接する仕事なので、それが苦手な人にとっては辛い仕事だと思います。基本的にはお客様の都合に合わせる形になるので、休日や夜間に動くこともあります。もし小さい子供を持つママさんであれば、預け先を確保しなければならないかもしれません。ただ、この辺りの問題は収入があればある程度解消できるので、やはり一番は成果を上げることだと思います。"


"例えばアンケートなどであれば気軽に答えてくれるものの、そこから保険を提案する流れになるとほとんどの人が断ってくるし、うまく約束を取り付けても忘れられてしまうといった事もあります。また、仮に提案して何度か足を運んでも、長年勤めている別の人に契約を取られた時は文句が言えないし、大変なのは仕事だけじゃない事を痛感させられました。あと、毎月顧客に配るお菓子や物品も買っているのでそれも痛い出費です。"


"新規のお客様と出会えるまでの道のりが長いです。コツコツと新しい先を回ったり、地区の既存の契約者様に挨拶回りをしたりといった感じです。新規開拓の場合、私の会社では地区担当が決まっていて、自分の担当地区以外にはよほどの事がない限り行けません。なので活動範囲にも規制があり、動きづらいです。毎月締め切りが近くなると正直地獄です。朝礼で支部長がゲキを飛ばし、それがとてもプレッシャーです。"


"セールスレディとして働いている事を周囲の人に知られると、「何か保険を勧められるんじゃないか」「もし頼まれても絶対に断ろう」と、身構えられてしまうのがデメリットです。こちらとしては入ってもらう事を考えていないのに、勝手にそんな風な対応を受けるのは悲しいです。「大変だねぇ、自腹で色々とセールスしてるんでしょ!」など、勝手なイメージを持たれるのも複雑に感じてしまいます。"


なぜ辞めなかった?保険セールスレディのメリットや働き甲斐は?


顧客向けのプランをまとめていく保険セールスレディ


さらにWEBアンケートでは、この仕事の辛い点やデメリットとは別に、働きがい、メリットだと思っている部分についても意見を聞いてみました。


"積み重ねた活動が契約に結びついた時は、「ああ、頑張って良かった、報われた!」と心から思います。また、契約の内容にもよりますが、新たな契約が取れれば給料にも大きく響きます。私の会社では成績優秀者に色々な特典があり、良い物品をもらったり、色々な所へ旅行に行ったりもできます。そして頑張れば頑張っただけ、ボーナスが大きいです!恐らく女性が働く仕事の中ではかなり給料が良い方だと思います。自分の仕事さえできていれば日中の時間も自由に使えるため、既婚女性にとっては働きやすい仕事だと思います。"


"子育て世代に対して理解のある会社が多いため、仮に子供の病気や行事で仕事を休んでも、お客様との約束がない限りは寛容です。また、自分一人での仕事が主なので、社内の煩わしい人間関係も少ないです。最初は研修期間がありますが、お給料ももらえるし、パート・アルバイトよりは断然割が良いです。営業という仕事が苦にならない方には良い職だと思います。"


"少々の事でへこたれない人や、チャレンジ精神が強い人には向いた仕事だと思います。顧客との信頼関係を築かなければ契約も取れませんが、根気よく続けて契約が取れた時の達成感は非常に大きいです。契約が取れれば給料も取れますし、周囲からの評価もよくなってやる気も上がります。 そして多くの保険会社では勉強会や資格取得のための講習会などもあるため、スキルは身につけられます。アグレッシブな人には向いている仕事だと思います。"


"保険に関する知識を幅広く身につけることができます。もちろん自分が扱う商品だけでなく、他社の商品や生命保険、自動車保険までです。その為、いざという時は自分の知識を活かし、自分自身や身内がどんな保険に加入するのがベストか、判断することができます。よくある保険の落とし穴や、やってしまいがちなミスなどにも気を配る事ができます。あと、保険に関連する税金にも詳しくなれます。よく一般の人が「私は保険に詳しい」と言っていても、実際は偏った知識である事がほとんどなので、それに比べると自信を持って判断できると思います。"


向き不向きがはっきり分かれる仕事。巨大な保険業界も全ては一人の力から


どんな仕事にも楽しい事、辛い事の両面があるはずですが、保険のセールスレディという仕事は向き、不向きがはっきりと分かれてしまうよう。また、信頼関係を積み重ねていくという意味では営業活動の原点とも言えそうな仕事ですが、その分だけできる人とできない人の差も大きくなっていく。結果が出ない時のプレッシャーと反面にある給与の良さ。巨大な保険業界も、一人一人の個の力で動いているというのがよくわかる結果でした。

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